講師のはてな?

現役の塾講師が公開する勉強法や、学校・教育にまつわることならなんでもござれ!

名門 凋落 

  • 凋落する名門校

先日、こんな記事を見つけた。

エリートの象徴“東大法学部”はなぜ「砂漠」なのか - エキサイトニュース(1/6)

要約すると、「東大法学部の人気がなくなってきた」ということである。東大を母校にし、誇りに思われている方には、少々、申し訳ないが、これは現実的な数字に裏打ちされたデータである。

大学ブランド、という言葉がささやかれて久しいが、まさに、東大法学部は、そのブランド価値を落としつつ、いや、すでに落ち切っている状態なのかもしれない。

 

  • 凋落したのは、大学か、それとも高校か?

名門ラ・サールも東大合格者減少? 理由は学力低下ではなく… 週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版

上記の大学の凋落との関連は不明だが、かつての有名進学校がランキングから姿を消し、逆に、新興高の跳躍や、古豪の復活というのも見える。

 

私は、進学校である、ということに一定のブランド価値を持たせようと思うのであれば、それこそ、徹底的に国公立進学を目指すべきであるという考えの持ち主である。

しかし、国立大で出来ることは、私立でもできたりと、国立大、それぞれの学校が、自校の「独自色」を、鮮明に打ち出せなくなりつつあるのが、凋落の一因ではないだろうか。

 

また、昨今の学生は、よく考えている。ただ、頭がよいだけではなく、大学に対して、講義の質を高めることを要求することもあるという。法学部、というと、まさに、末は大臣か、そうでなければ、弁護士や裁判官など、エリートコースまっしぐらなのは、間違いない。しかし、教授が、そのような勉強をさせてくれないのであれば、それこそ、進学の意義はないのだろう。

 

  • 名門高校、凋落の理由は何か?

当塾の近隣高では、T高校とN高校が、東大進学率も高く、県内西部では名門と呼ばれていた。しかし、今年度は、両校とも定員割れする結果となってしまった。

私は、この二校のうち、T高の生徒を教える機会が多いのだが、出されている課題や、教師から生徒への働きかけについては、疑問を呈さざるを得ない。もともと、良い学校であり、多少なりとも、自立した=自分で考えられる生徒がいるというのは、間違いない。しかし、彼らは、あくまでも、学生であり、可能性の塊であると同時に、未熟な状態でもある。彼らに、適切な指導を行い、成績向上に努めるのが、教員の仕事のはずだ。だが、教師は放任であり、改善策を呈しているとは、到底言い難い。

 

加えて、両校とも、昔ながらの詰め込み式であり、難しいものを、沢山すれば成績が向上すると考えている。難しい課題をしても、先に繋がらないことを行っても、無意味でしかなく、さらに言えば、練習量も低下する。完全な空回りの教育を行っているのです。それを嫌うのは、誰か。当然ですが、上位層の中学生たちです。